高純度ビタミンCが人気の理由|ロート製薬20年の技術と研究

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高純度ビタミンCのサプリメントが、なぜここまで支持されているのでしょうか。ロート製薬の「THE LYPO(ザリポ)ビタミンCディープカプセル」を例に、一般的なビタミンCとの違い、高純度が求められる理由、そしてビタミンCと皮膚の関係について報告されている研究データを、公表されている一次情報にもとづいて整理しました。体験談や個人の感想ではなく、企業の公式発表や査読付き論文などの公表データのみを使って解説します。

目次

ザリポ ビタミンCディープカプセルとはどんな商品か

「THE LYPO(ザリポ)ビタミンCディープカプセル」は、ロート製薬が2023年10月20日に発売した、リポソーム型ビタミンCを核とした栄養機能食品(ビタミンC)です。1粒に2種類の顆粒を配合した設計になっており、それぞれ役割が異なります。

項目内容
商品名THE LYPO(ザリポ)ビタミンCディープカプセル
販売元ロート製薬株式会社
食品区分栄養機能食品(ビタミンC)
内容量60カプセル(30日分の目安)
1日の摂取目安量2カプセル(ビタミンC 500mg)
粒の構成黄色い顆粒=リポソーム型ビタミンC(溶けが緩やかな持続型)/白い顆粒=ビタミンC・ヒアルロン酸(溶けが速い速効型)
発売日2023年10月20日

ここでいう「栄養機能食品」とは、消費者庁への個別の届出や審査を必要とせず、国があらかじめ定めた栄養成分について、決められた範囲内の含有量であれば、決められた文言をそのまま表示できる制度です。ビタミンCの場合、1日摂取目安量が30〜1,000mgの範囲であれば、「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です」という機能表示が認められています。この商品の1日目安量500mgは、この範囲内におさまっています。

つまり、後述する臨床試験や研究データは、この商品そのものについて個別に実施されたものではなく、ビタミンCという成分そのものに関する公表データという位置づけになります。この点は、実際に商品を選ぶ際に押さえておきたいポイントです。

なぜロート製薬のビタミンCが選ばれるのか

ロート製薬は、目薬や胃腸薬だけでなく、スキンケアブランド「メラノCC」などを通じて20年以上にわたりビタミンCの研究開発に取り組んできたことを、2023年の商品発表資料の中で明らかにしています。この蓄積された技術的知見が、「ザリポ」というインナーケア(体の内側からのケア)商品にも応用されている、というのが同社の説明です。

もう一つの特徴が、1カプセルに2種類の顆粒を配合した「Wアプローチ」という設計です。ビタミンCは体内に吸収されなかった分が排出されやすい性質を持つため、リポソーム(細胞膜と同じ構造の膜でビタミンCを包み込む技術)を使って溶ける速度をゆるやかにすることで、体内にとどまる時間を長くしようという考え方にもとづいています。黄色い顆粒(持続型のリポソームビタミンC)と、白い顆粒(速効型のビタミンC・ヒアルロン酸)を組み合わせることで、速さと持続性の両方を狙った設計になっている、と公式発表では説明されています。

なお、この「ゆるやかに溶けることで体内滞留時間が延びる」という仕組みは製品設計上の考え方として公表されているものであり、この商品自体で血中濃度の推移を測定した公開データは、今回参照した範囲では確認できませんでした。技術的な工夫の内容と、その効果を証明する臨床データは分けて理解しておくことが大切です。

一般的なビタミンCとの違い|吸収と安定性の問題

ビタミンC(アスコルビン酸)には、大きく分けて2つの弱点があることが、厚生労働省の資料や公的な検討会資料でも指摘されています。

弱点1:摂取量が増えるほど吸収率が下がる

厚生労働省の検討会資料によると、ビタミンCの腸管からの吸収率は、1日あたり200mg程度までは約90%と高い一方、1日1g(1,000mg)以上になると50%以下まで低下するとされています。また、血漿中のビタミンC濃度は1日あたり約400mgで頭打ち(飽和)になることも示されています。つまり、一度に大量のビタミンCを摂取しても、量に比例して体内に取り込まれるわけではありません。この商品の1日摂取目安量である500mgは、吸収率が徐々に下がり始める領域にあたるため、顆粒を2種類に分けて溶ける速さを変える設計には、一定の合理性があると考えられます。

弱点2:光や熱で酸化し、効力を失いやすい

ビタミンCは非常に不安定な成分で、光や熱によって酸化され、抗酸化物質としての機能を失いやすいことが知られています。ロート製薬の公式発表でも、この酸化のしやすさが商品設計上の課題として挙げられており、リポソームでビタミンCを包み込むことで成分を安定化させる狙いがあるとされています。純度が低い原料では、もともと酸化・分解が進んだ状態の成分(不純物)が混ざっている可能性が高くなるため、成分を安定した状態で保つには、まず原料としての純度が土台になります。

高純度ビタミンCが必要な理由

高純度ビタミンCが重視される理由は、大きく2つに整理できます。

1つ目は、上で述べた酸化・分解のしやすさへの対策です。ビタミンC(L-アスコルビン酸)は酸化されるとデヒドロアスコルビン酸などの分解物に変化し、抗酸化物質としての働きを失います。原料の純度が低いと、製造・保管の過程でこうした分解がすでに進んでいる可能性が高くなり、パッケージ表示上の含有量と、実際に抗酸化作用を持つビタミンCの量にズレが生じやすくなります。純度の高い原料を使うことは、表示された量のビタミンCが、酸化されていない状態で摂取できることの前提になります。

2つ目は、リポソームのような微細なカプセル構造に成分を均一に閉じ込めるうえで、原料の純度や粒子の均質性が製造上重要になる点です。不純物が多い原料では、カプセル構造の安定性にばらつきが出やすくなります。

なお、ロート製薬はスキンケア領域でも「ピュアビタミンC」という高濃度ビタミンC技術を持っていますが、これは化粧品ブランド「Obagi(オバジ)」向けに開発されたもので、今回紹介している経口サプリメント「ザリポ」とは製品カテゴリーが異なります。同社が長年にわたりビタミンCの安定化技術に取り組んできたことを示す一例として紹介しますが、両者を混同しないよう注意してください。

皮膚や粘膜の健康維持と抗酸化作用については、栄養機能食品制度のもとで「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です」という表示が国の基準で認められています。これはビタミンCという栄養素全般に対する制度上の表示であり、特定の商品を対象に行われた効果効能の証明ではない点は、正しく理解しておく必要があります。

ビタミンCと皮膚に関する研究データ

「ザリポ」という商品そのものを使ったヒト臨床試験の公開データは、今回調べた範囲では見つかりませんでした。そのかわりに、(1)ロート製薬自身が発表した基礎研究と、(2)ビタミンCを含むサプリメントに関する一般的な臨床試験の、2種類のデータを紹介します。

(1)ロート製薬による基礎研究|ビタミンCと表皮の関係

ロート製薬は2025年4月30日、東京都健康長寿医療センター研究所、北陸大学薬学部との共同研究として、ビタミンCが表皮に与える影響についての新しい知見を発表しました。論文は同年4月20日に「Journal of Investigative Dermatology」誌の電子版に掲載されています。

この研究はヒトを対象にした臨床試験ではなく、ヒトの表皮を再現した3次元培養モデルを使った基礎研究(in vitro試験)です。ビタミンC(アスコルビン酸ナトリウム塩)を0mM・0.1mM・1.0mMの濃度で7〜14日間作用させ、組織の厚みや遺伝子発現の変化を、HE染色・マイクロアレイ解析・全ゲノムバイサルファイトシーケンス(WGBS)などの手法で調べています。

その結果、ビタミンCを加えた表皮モデルでは、表皮細胞層の厚みや細胞増殖の指標、DNA脱メチル化の指標である5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)が増加し、細胞増殖に関わる12個の遺伝子の発現が高まったことが報告されました。さらに、DNA脱メチル化に関わる酵素(TET酵素)を阻害する薬剤を同時に加えると、この効果が弱まることも確認されており、ビタミンCがDNAの脱メチル化という仕組みを介して表皮細胞の増殖に関わっている可能性を示す結果とされています。研究チームは、ビタミンCの抗酸化作用やコラーゲン合成促進作用に加え、こうしたエピジェネティックな制御を活用した新しいスキンケア戦略の可能性に言及しています。

この研究は培養モデルを用いた基礎研究であり、ヒトが実際にビタミンCを摂取した場合の効果を直接示すものではありません。また「ザリポ」という商品を使った研究でもない点に注意が必要です。

(2)ビタミンC配合サプリメントのヒト臨床試験

ビタミンC単独ではなく、コラーゲンやヒアルロン酸と組み合わせたサプリメントについては、ランダム化比較試験が複数報告されています。ビタミンCがどの程度単独で寄与しているかまでは切り分けられていない点を踏まえたうえで、代表的な2件を紹介します。

項目試験1(Žmitekら, 2024)試験2(Reillyら, 2024)
掲載誌Nutrients(2024年6月)Dermatology Research and Practice(2024年)
対象者40〜65歳の女性90名(完了87名)40〜60歳の男女140名(完了130名、女性約9割)
試験デザインランダム化二重盲検プラセボ対照試験(3群)ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
摂取内容コラーゲン5g+ビタミンC 80mgの群、これにヒアルロン酸30mgを加えた群、プラセボ群加水分解コラーゲン8,000mg+ビタミンC 60mg(1日摂取量の75%相当)
試験期間16週間12週間
脱落者3名(プラセボ群1名、ヒアルロン酸併用群2名、いずれも個人的理由)8名(詳細な内訳は論文中に個別記載なし)
有害事象試験期間中の報告なし試験期間中の報告なし

試験1の主な結果:コラーゲン+ビタミンCの群、コラーゲン+ビタミンC+ヒアルロン酸の群のいずれも、16週後に皮膚密度がプラセボ群と比べて約16%有意に増加しました(P<0.001)。しわの体積は16週後に両群とも約14%減少(P<0.001)、肌のきめ(粗さ)も約10%改善しました(P<0.001)。一方、皮膚水分量や粘弾性については、プラセボ群との間に統計的に有意な差は確認されませんでした。ヒアルロン酸を追加した群と追加しなかった群の間にも、有意な差はみられていません。

試験2の主な結果:毎日摂取した群では、12週後に皮膚水分量が約13.8%増加(P<0.01)、肌の弾力性指標が約22.7%改善(P<0.01)、しわの指標が約19.7%減少(P<0.01)したことが報告されています。あわせて、超音波によるコラーゲン線維の測定でも改善がみられたとされています。

いずれの試験も、コラーゲンを主体としビタミンCを組み合わせた配合であり、ビタミンC単独の効果を検証したものではありません。また、いずれも「ザリポ」とは異なる商品・配合で行われた試験です。皮膚の水分量に関しては、試験1では有意差が出ず、試験2では有意な増加が報告されるなど、試験ごとに結果が異なっている点も、公平にお伝えしておく必要があります。

いつ、どのくらいの期間摂取するといいのか

栄養機能食品であるビタミンCには、医薬品のような「1日3粒を食後に」といった摂取タイミングの指定はありません。商品の摂取目安量表示も「1日2カプセルを目安に」となっており、時間帯の指定はされていません。

摂取のタイミングを考えるうえで参考になるのは、前述した吸収率のデータです。ビタミンCは一度に大量に摂取しても吸収率が下がるため、1日の摂取量を一度に摂るより、複数回に分けて摂取するほうが、体内に取り込まれる量の観点では理にかなっていると考えられます。この商品が1日2カプセルを目安としている設計も、こうした性質と関係していると考えられますが、具体的な摂取回数ごとの血中濃度データが公開されているわけではありません。

継続期間については、今回紹介した皮膚に関する臨床試験は、いずれも12週間または16週間(約3〜4か月)実施されたものです。皮膚密度やしわ、きめの変化が確認されたのも、この期間継続して摂取した結果としてのデータであり、数日〜数週間の短期摂取や、単発摂取の効果を検証したものではありません。一方で、これらの試験期間を超える、半年〜1年単位の長期摂取による効果を直接検証した公開データは、今回参照した文献の中には見当たりませんでした。「1年中飲み続けるべきか」「数か月単位で休止すべきか」について、文献にもとづいて断定できる答えは現時点ではなく、まずは3〜4か月程度を一つの目安に、体調の変化とあわせて継続を判断するというのが、公開されているデータから読み取れる現実的な考え方です。

摂取量の目安と注意点

日本人の食事摂取基準では、成人のビタミンC推奨量は1日100mgとされています。一方で、過剰摂取による明確な健康被害のデータが不足していることを理由に、耐容上限量(これ以上摂ると健康リスクが高まるとされる上限値)は設定されていません。ただし、1日3〜4g(3,000〜4,000mg)程度のアスコルビン酸摂取で下痢が報告された例があることや、サプリメントからの摂取は1日1g(1,000mg)を超えないことが望ましいとされていることが、厚生労働省の資料に示されています。

この商品の1日摂取目安量である500mgは、これらの目安を下回る範囲に収まっています。とはいえ、摂取目安量を超えて摂取しないこと、体質や持病、服用中の薬によっては医師や薬剤師に相談することが基本になります。栄養機能食品は国が個別に安全性や効果を審査したものではなく、事業者の責任で表示される食品であり、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。

よくある質問

Q. ザリポ ビタミンCディープカプセルそのものを使った臨床試験はありますか?

A. 今回調べた範囲では、この商品自体を使ったヒト臨床試験の公開データは確認できませんでした。紹介した研究は、ロート製薬による基礎研究(in vitro)と、別の配合によるビタミンC入りサプリメントの一般的な臨床試験です。

Q. 高純度ビタミンCと普通のビタミンCは何が違うのですか?

A. ビタミンCは光や熱で酸化しやすく、純度が低い原料では分解が進んだ状態の成分が混ざりやすいとされています。高純度の原料は、表示された量のビタミンCが酸化されていない状態で含まれていることの前提になります。

Q. どのくらいの期間で変化が報告されていますか?

A. 紹介した2件のビタミンC配合サプリメントの臨床試験では、12週間または16週間の継続摂取後に、皮膚密度やしわ、きめなどの変化が報告されています。いずれもコラーゲンとの組み合わせによる試験です。

Q. 副作用はありますか?

A. 紹介した2件の臨床試験では、試験期間中の有害事象の報告はありませんでした。一般的には、1日3〜4g程度の大量摂取で下痢などの消化器症状が報告されています。この商品の摂取目安量(500mg/日)は、その範囲を大きく下回ります。

Q. 1年中飲み続けたほうがいいのでしょうか?

A. 今回紹介した文献の試験期間は12〜16週間で、これを超える長期摂取の効果を直接検証したデータは見当たりませんでした。まずは3〜4か月を目安に、体調の変化とあわせて継続を判断するのが現実的です。

まとめ|高純度ビタミンCを選ぶ意味

高純度ビタミンCが重視される背景には、ビタミンCが光や熱で酸化しやすく、摂取量が増えるほど吸収率が下がるという、成分そのものの性質があります。ロート製薬の「ザリポ ビタミンCディープカプセル」は、20年以上にわたるビタミンC研究の技術を背景に、リポソームで包んだ持続型の粒と、速効型の粒を組み合わせることで、この2つの課題に対応しようとした栄養機能食品(ビタミンC)です。

一方で、この商品自体を対象にしたヒト臨床試験の公開データは確認できず、紹介したビタミンC配合サプリメントの臨床試験(12〜16週間、コラーゲンとの併用)も、この商品とは異なる配合で行われたものです。皮膚密度やしわ、きめについては複数の試験で改善が報告されている一方、皮膚水分量については試験によって結果が分かれています。栄養機能食品としての「皮膚や粘膜の健康維持を助け、抗酸化作用を持つ」という表示は、ビタミンCという栄養素全体に対する制度上の表示であることも、あわせて理解しておくとよいでしょう。人によって体質や体調は異なるため、気になる方は原材料表示や摂取目安量を確認したうえで、無理のない範囲で取り入れてみてください。

関連して、ほかの機能性表示食品の臨床試験を人数・期間ベースで解説した記事もあります。ロコモアの臨床試験を解説|対象100名・16週間の結果、プレミアガセリ菌CP2305の臨床試験を解説|対象60名・24週間の結果もあわせてご覧ください。

商品の詳細や価格を確認したい方は、楽天市場のページからご覧いただけます。ザリポ ビタミンCディープカプセル(ロート製薬)

参考文献・情報源:ロート製薬株式会社プレスリリース「20年を超えるロートのビタミンC技術を応用!2種の粒でWアプローチ、リポソーム型ビタミンC配合の美容サプリメント『THE LYPO®(ザリポ)』誕生」(2023年10月16日)/ロート製薬 研究成果「皮膚におけるビタミンCの新知見」(2025年4月30日発表)詳細はこちら/Ishigami A, et al. “Vitamin C Promotes Epidermal Proliferation by Promoting DNA Demethylation of Proliferation-Related Genes in Human Epidermal Equivalents.” J Invest Dermatol. 2025 Apr 20. DOI:10.1016/j.jid.2025.03.040/Žmitek K, et al. “The Effects of Dietary Supplementation with Collagen and Vitamin C and Their Combination with Hyaluronic Acid on Skin Density, Texture and Other Parameters: A Randomised, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial.” Nutrients. 2024;16(12):1908.全文はこちら/Reilly ME, et al. Dermatology Research and Practice. 2024.全文はこちら/厚生労働省「日本人の食事摂取基準」ビタミンC策定根拠資料資料はこちら/消費者庁 栄養機能食品制度に関する資料資料はこちら

最終更新日:2026年9月

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