ロコモアの臨床試験を解説|対象82名・16週間の結果

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ロコモアの臨床試験について、「どんな人が対象だったのか」「何人が参加し、何人が完了したのか」「どんな指標でどのくらいの効果が確認されたのか」「副作用や途中でやめた人はいなかったのか」を、実際に発表された論文にもとづいて整理しました。ロコモアはサントリーウエルネスが販売する、グルコサミン・コンドロイチン・ケルセチン配糖体・アンセリンを配合した機能性表示食品です。体験談や個人の感想ではなく、公表されている研究データだけを使い、50代・60代の方にもわかりやすい言葉で解説します。

目次

  • ロコモアとはどんな機能性表示食品か
  • 配合成分とその働き方(作用機序)
  • ロコモアの臨床試験|対象者と試験デザイン
  • 臨床試験でわかった主な結果
  • 副作用と試験から外れた人について
  • 50代・60代に関わる追加データ|ケルセチン配糖体と筋肉の柔軟性
  • 歩き方に関する追加報告(歩幅・足底角度)
  • いつ、どのくらいの期間摂取するといいのか
  • よくある質問
  • まとめ|ロコモアの臨床試験からわかること

ロコモアとはどんな機能性表示食品か

ロコモアの臨床試験を見る前に、まず商品としての位置づけを確認しておきます。「ロコモア a」はサントリーウエルネス株式会社が販売する、ひざ関節と脚の筋肉に着目したサプリメント(粒タイプ)で、機能性表示食品として消費者庁に届け出られています(届出番号I1150、届出日2024年1月12日)。

項目内容
機能性関与成分グルコサミン塩酸塩1,200mg/コンドロイチン硫酸60mg/ケルセチン配糖体200mg/アンセリン10mg(1日摂取目安量あたり)
届出表示(要約)脚の筋力を維持することとひざ関節に働きかけることで、加齢により衰える「ひざ関節を使った動きをスムーズにすること」「日常生活における歩く速さを維持する」機能が報告されている。またケルセチン配糖体は、軽い運動との併用で、加齢により衰える筋肉の柔軟性の向上に役立つとされている
1日の摂取目安量6粒(2.25g)
想定される対象者ひざ関節や歩く速さ、筋肉の柔軟性が気になる健常な成人

ここで押さえておきたいのは、これから紹介する臨床試験は「現行のロコモア(ケルセチン配糖体200mg配合)そのものを飲んだ試験」とは、成分の配合量が完全に一致しているわけではないという点です。機能性の主な根拠となっている試験は、ケルセチン配糖体90mgと II型コラーゲンペプチド45mgを含む従来配合で行われたものであり、筋肉の柔軟性に関する研究は、現行品と同じ200mgのケルセチン配糖体を使って別途行われています。届出は、これらの機能性関与成分に関する研究レビュー(複数の論文の評価)を根拠にしており、成分量の違いがある点を理解したうえで、以下の内容を読み進めてください。

配合成分とその働き方(作用機序)

ロコモアには4つの機能性関与成分が配合されています。それぞれの役割を確認します。

グルコサミン塩酸塩

グルコサミンは、体内の軟骨や関節液にもともと存在するアミノ糖の一種で、軟骨の構成成分であるプロテオグリカンの材料になると考えられています。加齢とともに体内での産生量が減るとされ、ひざ関節の動きに関わる成分として、食品やサプリメントで広く利用されています。

コンドロイチン硫酸

コンドロイチン硫酸は、軟骨に水分を保持させるクッションのような役割を持つとされる多糖類です。グルコサミンと組み合わせて配合されることが多く、今回紹介する臨床試験でも両成分が同時に摂取されています。

ケルセチン配糖体

ケルセチン配糖体は、たまねぎなどに含まれるポリフェノールの一種であるケルセチンを、体内に吸収されやすい形に加工したものです。骨格筋の柔軟性や、運動と組み合わせたときの筋肉の状態に関わる成分として、後述する研究で評価されています。

アンセリン(イミダゾールペプチド)

アンセリンは、カツオなどの回遊魚の筋肉に多く含まれるイミダゾールペプチドの一種です。ロコモアの根拠試験では「イミダゾールペプチド」として、グルコサミンやコンドロイチン、ケルセチン配糖体と組み合わせて摂取されています。

ロコモアの臨床試験|対象者と試験デザイン

ロコモアの機能性の中心的な根拠として参照されているのが、Kanzakiらによる2015年の論文です(Clinical Interventions in Aging誌)。ひざに痛みを抱える日本人を対象に行われた、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験で、ロコモアの臨床試験を語るうえで欠かせないデータです。

対象者

試験には日本人100名(男女)が登録され、実薬群(グルコサミン・コンドロイチン・ケルセチン配糖体・イミダゾールペプチドなどを配合した製品)50名、プラセボ群50名にランダムに割り付けられました。年齢は40〜74歳、平均年齢は51.8±0.8歳と、ちょうど40代後半から50代にかけての年齢層が中心です。組み入れの条件は、ひざの痛みがあり、日本語版変形性膝関節症機能評価尺度(JKOM)の歩行スコアが25点以下、VAS(痛みの自己評価)が20mm以上、レントゲン上の変形の程度(K-L分類)がグレード0〜IIの人でした。

試験デザインと摂取方法

ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験として、16週間にわたって実施されました。実薬群は、グルコサミン塩酸塩1,200mg、コンドロイチン硫酸60mg、II型コラーゲンペプチド45mg、ケルセチン配糖体90mg、イミダゾールペプチド10mg、ビタミンD 5μgを含む錠剤を毎日摂取しました。

項目内容
対象者ひざに痛みのある日本人100名(男女、40〜74歳、平均51.8±0.8歳)
試験デザインランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
摂取方法グルコサミン・コンドロイチン・ケルセチン配糖体90mg・イミダゾールペプチドなどを含む錠剤を毎日摂取
試験期間16週間
有効性解析の対象82名(脱落・除外を除く)

臨床試験でわかった主な結果

16週間の試験期間中、あらかじめ設定された時点で、プラセボ群と実薬群の変化が比較されています。軽度〜中等度のひざ痛があった参加者のグループでは、次のような結果が報告されました。

指標何を調べたか結果
ひざ伸展筋力(体重比)ひざを伸ばす力を体重に対する割合で測定摂取8週目の時点で、プラセボ群(92.3±5.5%)に比べ実薬群(104.6±5.0%)が有意に増加(P=0.030)
通常歩行速度普段の速さで歩いたときの速度の変化量摂取16週目の時点で、プラセボ群(+0.05±0.02m/秒)に比べ実薬群(+0.11±0.03m/秒)が有意に増加(P=0.038)
JKOM(日本語版変形性膝関節症機能評価尺度)ひざの痛みや日常生活のしづらさを点数化する質問票摂取8週目の時点で、実薬群のスコアがプラセボ群に比べ有意に改善

レントゲン上の変形が軽度(K-L分類グレードI)だった参加者に限定した解析でも、16週目の通常歩行速度は実薬群1.36±0.05m/秒、プラセボ群1.21±0.02m/秒と、実薬群で有意に高い値が報告されています。論文の結論として、この配合による16週間の摂取が、ひざ痛のある人の歩行速度やひざ伸展筋力、自覚的なひざの状態の改善に役立つ可能性がある、とまとめられています。

副作用と試験から外れた人について

試験期間中に報告された有害事象(副作用の可能性がある体調変化)は、実薬群10件、プラセボ群10件と同数でした。いずれも症状の強さは軽度から中等度で、論文には、これらの有害事象と摂取した製品との間に因果関係は認められなかったと記載されています。

参加者100名のうち、試験を最後まで続けられずに脱落したのは3名(実薬群2名、プラセボ群1名)でした。これとは別に、摂取率が80%未満だった1名、歩行速度の測定値に異常があった3名、試験の手順から外れた(プロトコル逸脱)11名の合計15名が、有効性の解析対象から除外されています。この結果、有効性を評価できたのは82名でした。安全性については、脱落者・除外者を含めた参加者全体のデータをもとに評価されています。

50代・60代に関わる追加データ|ケルセチン配糖体と筋肉の柔軟性

先ほど紹介した16週間の試験は40〜74歳(平均51.8歳)を対象にしたものでしたが、現行のロコモアに配合されているケルセチン配糖体200mgという量そのものを検証した、より年齢層が絞られた試験もあります。Otsukaらによる2022年の論文です(Frontiers in Nutrition誌)。

この試験には50〜74歳(平均年齢は約60歳)の男女54名が登録され、脱落・除外を経て48名が解析対象となりました。参加者は、プラセボ群(0mg)、低用量群(ケルセチン配糖体200mg)、高用量群(同500mg)のいずれかに割り付けられ、週3回(月・水・金)、40%1RM強度でのレジスタンス運動(3セット×14回、太もも中心のトレーニング)を24週間行いながら、それぞれの用量を毎日摂取しました。

24週間後の結果として、太もも前面の筋肉(外側広筋)がひざを深く曲げた状態でのスティフネス(かたさ)が、200mg群・500mg群のいずれもプラセボ群に比べて有意に低下したことが報告されています(両群とも変化量-0.6m/秒、P<0.05)。一方で、太ももの筋肉量そのものには、プラセボ群との間に有意な差はみられませんでした。この試験でのケルセチン配糖体の摂取による副作用の報告はなく、脱落・除外はホルモン剤の使用など試験条件に関わる理由によるものでした。

この試験は、対象年齢が50〜74歳とちょうど50代・60代を含む年齢層であり、摂取量も現行のロコモア(200mg)と一致している点で、読者にとって最も参考にしやすいデータのひとつといえます。

歩き方に関する追加報告(歩幅・足底角度)

Kanzakiらは2016年にも、同じ配合をもとにした歩行分析の追加報告を発表しています(Clinical Interventions in Aging誌)。この報告では、通常歩行速度やひざの痛みの改善に加えて、歩き方の質を示す指標のひとつである歩幅と、足底の角度(着地時の足の傾き)にも延長・改善がみられたことが紹介されています。ただし、この報告についての対象者数や具体的な数値の詳細は、今回参照できた公開情報の中には十分に見当たらず、参考情報としての紹介にとどめます。

いつ、どのくらいの期間摂取するといいのか

ロコモアの臨床試験のデータを踏まえると、ひざ伸展筋力は8週間、歩行速度は16週間、筋肉の柔軟性については24週間、いずれも「毎日継続して摂取した」結果として変化が確認されています。単発や数日単位の摂取で同じ変化が起きるかを検証したデータではありません。

摂取するタイミングについて、根拠となった試験のプロトコルには、朝・夜や食前・食後といった時間帯の指定は特に設けられていません。商品の摂取目安量表示も「1日6粒を目安に」となっており、時間帯の指定はありません。毎日忘れずに続けやすい時間帯を選ぶことが、継続摂取が前提となるこの手の機能性表示食品では現実的な考え方です。

「1年中飲み続けるべきか」については、今回紹介した試験はいずれも16週間〜24週間(約4〜5.5か月)の範囲で行われたものであり、それを超える期間(半年〜1年単位)の効果を直接検証した公開データは、今回参照した文献の中には含まれていません。まずは16週間前後を目安に、体調の変化とあわせて継続を判断するというのが、公開されているデータから読み取れる現実的な考え方といえます。

なお、機能性表示食品は国の個別審査を受けたものではなく、事業者の責任において表示されている食品であり、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。ひざの痛みが強い、または長く続く場合は、自己判断で摂取を続けず、医療機関に相談することが基本になります。

よくある質問

Q. ロコモアの臨床試験は、現行品そのものを使った試験ですか?

A. 完全には一致していません。ひざ伸展筋力や歩行速度の主なデータは、ケルセチン配糖体90mgを含む従来配合での16週間試験にもとづいています。一方、筋肉の柔軟性に関するデータは、現行品と同じ200mgのケルセチン配糖体を使った24週間試験が根拠になっています。

Q. 何人くらい、どんな年齢層が参加した試験ですか?

A. 主な試験(Kanzaki 2015)はひざに痛みのある日本人100名(40〜74歳、平均51.8歳)が対象で、82名が有効性の解析対象となりました。筋肉の柔軟性に関する試験(Otsuka 2022)は50〜74歳(平均約60歳)の54名が対象で、48名が解析対象です。

Q. 副作用はありましたか?

A. 主な試験では、実薬群10件・プラセボ群10件の有害事象が報告されていますが、いずれも軽度〜中等度で、摂取した製品との因果関係は認められなかったとされています。筋肉の柔軟性に関する試験でも、ケルセチン配糖体による副作用の報告はありませんでした。

Q. 途中でやめた人はいますか?

A. 主な試験では、登録100名のうち3名が試験を完了できず脱落し、別途15名が有効性の解析から除外されました。筋肉の柔軟性に関する試験では、54名のうち脱落3名・除外3名でした。

Q. どのくらいの期間で変化が出ましたか?

A. ひざ伸展筋力は摂取8週目、歩行速度は摂取16週目の時点で、それぞれプラセボ群との有意な差が報告されています。筋肉の柔軟性については24週間の摂取後に有意な変化が確認されています。

まとめ|ロコモアの臨床試験からわかること

ロコモアの臨床試験を振り返ると、中心的な根拠となっているのは、ひざに痛みのある日本人100名(40〜74歳、平均51.8歳)を対象に、グルコサミン・コンドロイチン・ケルセチン配糖体・イミダゾールペプチドなどを配合した製品を16週間摂取してもらった、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験です。ひざ伸展筋力は摂取8週目、通常歩行速度は摂取16週目の時点で、プラセボ群と比べた有意な改善が報告されており、有害事象は実薬群・プラセボ群で同数、因果関係は認められませんでした。

これに加えて、現行品と同じ200mgのケルセチン配糖体を使い、50〜74歳(平均約60歳)を対象に行われた24週間の試験では、運動と組み合わせることで太ももの筋肉のかたさが有意に改善したことも報告されています。一方で、これらの試験は現行のロコモアそのものを使った試験ではなく、成分量が一部異なる点、また16週間〜24週間を超える長期摂取のデータが今回参照した文献には見当たらない点は、事実として区別しておく必要があります。人によって体質や体調は異なるため、気になる方はパッケージの表示内容や届出情報も合わせて確認してみてください。

関連して、別の機能性表示食品の臨床試験を人数・期間ベースで解説した記事もあります。プレミアガセリ菌CP2305の臨床試験を解説|対象60名・24週間の結果、Wの健康青汁の臨床試験を解説|エラグ酸とGABAの人数・期間・結果もあわせてご覧ください。

商品の詳細や価格を確認したい方は、楽天市場のページからご覧いただけます。ロコモア ひざ サプリ(サントリーウエルネス)

参考文献:Kanzaki N, et al. “Glucosamine-containing supplement improves locomotor functions in subjects with knee pain: a randomized, double-blind, placebo-controlled study.” Clin Interv Aging. 2015;10:1743-1753. 全文はこちら/Otsuka Y, et al. “Effects of Quercetin Glycoside Supplementation Combined With Low-Intensity Resistance Training on Muscle Quantity and Stiffness: A Randomized, Controlled Trial.” Front Nutr. 2022;9:912217. 全文はこちら/Kanzaki N, et al. “Glucosamine-containing supplement improves locomotor functions in subjects with knee pain: a pilot study of gait analysis.” Clin Interv Aging. 2016. /消費者庁 機能性表示食品届出情報(届出番号I1150)

最終更新日:2026年9月

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